イナズマ

□愛の服従・愛の支配
1ページ/7ページ

人が邪魔だなと思う昼休み。
俺、佐久間次郎は早足で食堂を目指していた。
急がないと、また、不機嫌にさせてしまう。分かってる。早くしないと。
それなのに俺は3年の先輩と肩がぶつかってしまいいちゃもんをつけられた。急いでいるのになぜ、こうなるのだろう?
「ぶつかっといてシカトか?」
ガラの悪そうな、ついでに頭の悪そうなやつ。
お前にかまっている暇はない。でも、そういえば相手の神経を逆撫でするだけ。
だから、急いでいる俺は
「すみませんでした。」
と、一応謝ってみる。
もっとも、この手の輩には謝ったところで効果はないだろう。
分かっているが、喧嘩腰では余計に無駄な時間を費やしてしまう。
昼休みが始まって、今、何分だっただろう?あと、何分で食堂に俺はつけるだろう?
そんな事を考えていると
「謝っただけで済ませる気か?」
と、言われた。
予想通りの答え。
なら、次の言葉も大体分かる。どうせ、金を巻き上げたいのだろう。
ガラの悪い男のする事なんて大抵はそうだ。
「慰謝料でも払え。不快な思いをさせられたんだ。」
ほら、やっぱりそうだ。
俺単純かつ、馬鹿なこいつとの争いをすぐさま終わらせてしまいたいから財布をポケットから出し、現金を10万ほど渡す。
「結構持ってんじゃねぇか。まあ、これだけありゃあ、十分だ。もう、行っていいぞ。」
俺が渡した10万に満足しながら馬鹿はそう言った。
俺は、とりあえず解放されたようなので走って食堂を目指す。
さっきみたいにぶつかるなんてへまをしないように走った。
そして、ようやく食堂に辿り着いた。
完全に、遅刻扱いだろうな。そんな事を思いながら俺は食堂を見渡した。
すると、探している人物はすぐに見つかった。何処にいても目立つ人だから。
ドレッド頭を一括りにした、赤いマントとゴーグルをした人。それはどこにいても本当に目立つ。
俺は、急いでその、だれよりも目立つ鬼道さんの元へと行った。
いつものように向かいの席へ腰かける。
俺の定位置。そこには俺の分の昼飯が置かれている。いつも鬼道さんは俺の分をテーブルに用意しておいてくれる。
そして、俺が来るまでは食事をしない。
だから
「遅い。何をしていた?」
と、言われ、手にフォークやナイフや箸を刺されても何も言えない。
ただ
「申し訳ありませんでした。」
と、言うだけだ。
痛いけど、鬼道さんの与えてくれる痛みなら、それは、俺にとっては快感でしかない。言葉の暴力も不当な扱いも、鬼道さんにされれば全て喜びで快楽でしかない。
たぶん、俺は根っからのマゾなのだ。そして、鬼道さんは根っからのドSだ。
俺は、そんな鬼道さんが大好きで仕方ない。
この人の与えてくれる物すべてが俺には快楽であり喜び。この人以外が与えてくれる物すべてが邪魔であり苦痛だ。
「なら、今日は誰よりも早く部室に来い。いいな?」
と、俺が鬼道さんの与えてくれる喜びにうっとりとしていると鬼道さんはそう言った。
俺は、そんな鬼道さんの言葉に頷く。
すると、鬼道さんは俺に突き刺していた箸を除けてくれた。
それからは二人で食事をとる。
ただ、何も言わずに黙々と食事をとる鬼道さん。俺はそんな鬼道さんに午前中あった出来事を事細かに話す。
これは、鬼道さんに課せられた義務。鬼道さんの望み。俺のした事全てを、俺が誰とどう関わったかを全て知りたいと望んでくれたから。
だから、俺は食事を取りながらそれを全て報告する。鬼道さんの片足に股間を擦られ、気持ち良さに声をあげてしまいそうになるのを我慢しながら。
どれぐらいの人が見ているのだろう?
鬼道さんの足で股間を擦られ、俺が喜んでいる姿を。
分からないし、知りたいとは思わない。
見たければ、勝手に見ればいい。
俺にとっては、鬼道さんにされる事全てが喜びなのだ。それが、人前で辱められる事であったとしても。
「佐久間。食事が終わったら部室に行くぞ。お前が俺を不快にさせた分だけのお仕置きをする。」
と、食後のコーヒーを飲みながら鬼道さんは言った。
これも、いつもの義務。
俺の話した内容の中に、鬼道さんにとって不愉快な物があれば、それに応じたお仕置きを受ける。
それが決まりだ。
もっとも、俺はこのお仕置きも大好きだから、全然いい。
鬼道さんになら、何をされても気持ちいいだけだから。
そして俺はさっさと食事を済ませ、食器を片づける。
奇異の視線が気になる。鬼道さんの足で擦られた股間の部分が盛り上がり、俺のチンコは明らかに勃起しているからだ。
今日は出せなかった。食事中に出せる日と出せない日がある。
今日は出せない日だった。
まあ、別に、それでもいい。全ては鬼道さんが与えてくれたものだから。
食器を片づけた俺と鬼道さんは食堂を出て部室へと向かった。
俺は学校内では常に鬼道さんの一歩後ろを歩く。俺は、鬼道さんにつき従う奴隷のようなものだから。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ