イナズマ

□赤目の囚われ人
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その青年はそこにいるだけで人目を引く存在だった。
線の細い整った顔立ち。
夕暮の空と同じオレンジの瞳。その片方を眼帯で隠していた。
そして銀色の髪は、気高き魂を持つ者の証。
その髪を見せびらかすように、周りに己の存在を見せつけながら、青年は歩いていた。
その青年の後ろには屈強な男が二人、控えていた。

ここは裏の世界。深い深い闇に覆われた場所。
売られる商品は人。
性別を問う事なく、美しい姿をしたものだけがガラス張りの箱の中に閉じ込められていた。
青年は不満そうな表情をしながら売られる商品を物色していたが、これと言って気に入るものを見つける事が出来ないでいた。
媚びるような眼差しが気に入らない。怯えながら泣いている姿を見るとイライラする。暴れている姿を見ると思わず撃ち殺してしまいたくなる。
とにかくどれも気に入らない。
どれも、自分が望む美しさを持っていない。
それが青年には不愉快で仕方なかった。

「アル。不愉快だ。どれもこれも不愉快で仕方ない。」

そう言って青年は自分の後ろに控えている男の一人に言った。
すると、アルと呼ばれた男は

「あなたは理想が高過ぎなのですよ。少しは妥協したらいかがです?次郎様。」

と、言った。
すると、次郎と呼ばれた青年は不愉快そうに舌打ちをする。
アルは次郎のそんな態度に苦笑しながらも、何も言わずに着いて行く。
そんな中で次郎は妙な人だかりの出来た箱を見つける。
気になり近づくが人が邪魔で中にいる商品を見る事が出来ない。
すると次郎は、はっきりとした声で

「邪魔だ、退け。」

と、言った。
すると、周りが不愉快そうに次郎を見るがすぐに次郎の為に道を作った。
それは、この世界での常識。力ある存在に逆らう事はない。
次郎は常に頂点ともいえる場所に立っていた。だからこそ、次郎にとっては当たり前なのだ。
こうして次郎の為に道を他者が開ける事は。
その当たり前の道を次郎は堂々と歩き、気になった商品へと目を通す。
そして、その商品を見ると同時に言葉を失った。

ガラスの箱の中には一台のベッド。
その上では次郎と歳の変わらぬ青年が横たわっていた。
白っぽい肌に、ほっそりとした綺麗な体つき。なぜ、ドレッド頭でそれをポニーテールにしているのかは分からないが、とにかく、その青年は美しく、卑猥な姿をしていた。
身体に触手を巻きつけられ、触手に身体を好きにさせながら、体中をべとべとにしながら。
脚を開かされ、触手を2本アナルに受け入れていた。
トロトロと先走りの零れるペニスを扱きながら巻き付いている1本の触手。イかせないように、ペニスの根元にしっかりと巻きつく触手。
声を出す事を許す事のないよう、その口にいっぱい触手が咥え込まされていた。
その姿はどこまでも艶めかしく、人の目を引き付けた。
次郎は、思わず見惚れてしまう。
そして、色んな角度から眺めるように、ガラスの箱の周りを歩き始めた。
すると、箱の中にいた青年と目があった。
そして、驚いてしまう。
何故なら、その青年の瞳は炎のような赤い色をしていたからだ。
赤は、神に使える者の瞳。
つまり、この売られている青年は聖職者の血を引いている事になる。
なぜ、そんな青年がこんな場所で売られているのだろうか?気にはなったが、そんな事など次郎にはどうでもよかった。
ただ、目の前にいる青年を抱きたかった。
触手を受け入れているアナルに自分のペニスを受け入れさせて、喘ぎ声を上げさせたかった。

「アル、これ、買う事にしたから。」

と、次郎は青年を眺めながら言った。
するとアルは

「かしこまりました。では、競売場へ行きましょう。」

と、言った。
次郎は小さく頷いてから、その場を立ち去り、競売場へと行った。





競売場で次郎は不愉快そうな表情をしながら、あの青年がオークションにかけられるのを待っていた。
早くしろ。その苛立ちでいっぱいだった。
あと、どれだけ待てばいいのだろうか?不愉快な気持ちで29人目の商品が出てくるのを待った。
けれど、29番目が出てくると同時に次郎はいら立ちを忘れ、胸を高鳴らせた。
ようやく欲しかったあの青年が出されたのだ。

「貴重な赤目のこの少年。まずは1000万からのスタートだ。」

司会者の言葉を合図にオークションは始まった。

「2000万!」

「2500万!」

「2600万!」

「3000万!」

と、どんどんと値が上がって行く。
次郎は、それを静かに見ていた。横では次郎の命令通り青年を落とそうとアルが高い値を言い続けている。
いくら出してもかまわない。何が何でも買い取れ。
そう言ったはずなのに、アルが貧乏くさい値の付け方をするのに次郎はまた、苛立ちを覚え始めた。
だから、ついに痺れを切らして

「2億!」

と、言っていた。
すると、ぎょっとしながらアルは次郎を見つめるがそれどころではなくなる。
他の男が

「3億!」

と、言ったからだ。
次郎はめんどくさいなと思いながらも

「6億!」

と、男の倍の値段を叫ぶ。
けれど、男は引き下がらずに

「7億!」

と、叫んだ。
次郎は自分の邪魔をしてくる男を不愉快そうに見ながら

「14億!」

と、また、倍の値を叫んだ。
アルは1億単位で増やしてくださいよと心の中で思いながら、オークションを見守る事にした。どうせ、あの青年を買うのは次郎なのだと分かっているから。
しばらくは二人だけの対決が続いた。
けれど

「60億。」

と言う破格の値段を次郎が叫んだ事で決着は着いた。
アルはそれだけの金があれば10人は軽く奴隷が買えるよなと思いながらも、金を払いに行く主に着きそう。





「カードの一括払いだ。」

と、言って次郎は支払いを済ませ、運ばれてきた商品を眺める。
しばらく眺めた後、ふと、思い立ったように

「この触手も欲しいんだが?」

と、言うとオーナーと思われる男は

「1000万になります。」

と、言った。
それを聞いた次郎は再びカードを出して一括払いで済ませてしまう。

「アル。丁寧に運べ。」

と、言って次郎はさっさと車へと戻って行こうとしてしまう。
アルの相棒の男は次郎を追い、アルは触手が絡み着いたままの青年を抱きあげ、車に運んだ。
そして、次郎が暮らす屋敷へと急いで車を走らせ、青年を次郎の部屋のベッドの上へと運んでから部屋を出た。
次郎は青年に絡みついている触手を不思議な箱の中に戻してから、服を全て脱ぎしてた。
ぬるぬるした青年の脚を掴み、大きく開かせる。
すると、青年はじっと次郎の方を見つめた。悲しそうな目で見つめられたが、次郎はそんな事など気にせずに、もの欲しげにヒクつく青年のアナルに勃起したペニスを押し当てて、一気に身体を貫いた。
青年はギュッと目をつぶり、身体を強張らせる。

「いい具合だな。さあ、いい声で鳴いて満足させてくれ。」

と、次郎は言った。
青年は苦しそうに息をしながらも

「ぁ、ふぅ。はぁ、イ。」

と、返事をした。
それを聞いた次郎はまだ、始まったばかりにもかかわらず、容赦ないスピードで腰を打ち付ける。
青年が楽しめるように、前立腺を責め立てる。
触手の体液や青年の精液で中はじゅるじゅるとしていて、滑りが良かった。その分、動かしやすく、より次郎は激しく腰を打ちつけ続けた。
それから、お互いに違うタイミングで何度か達した。
互いにそれなりに楽しめればいいかと思っていたのだが、次第にそれだけではつまらなくなり始めた次郎は、自分の動きに合わせるように揺れ動きながら、次郎の腹部を擦っていた青年のペニスの根元をしっかりと握り、再び腰を打ちつけて行く。
すると、イけない苦しさに青年は

「許、しぃ、ィて・・・・・・ぁ、ぁ、ゆぅ、し、てぇ。」

と、言った。
けれど次郎はそんな言葉など無視をし続け、激しく身体を求めた。
そうやって、求めて、身体を動かして、何度目かの絶頂を迎えると同時に次郎は青年のペニスから手を離した。
すると、青年も同じタイミングで絶頂を迎える。
共に迎えた絶頂の心地良さに次郎はしばらく酔いしれた。
それから、少しして、また、体中が燃え上がるような感覚を得始める。
もう一度、一緒に気持ち良くなって、イきたい。
そんな欲求が生まれると次郎はさっきと同じように青年の身体を求め、一人でイく事が出来ないようにした。
イく事を許してもらえなくなると、青年は再び許しを求めるが、次郎はそんな許しなど聞こうとはしない。
ただ、獣のように身体を求め、心地よい快楽を味わう事だけに集中した。
そして、何度となく求め続けた後は、ぐったりとしながら、青年と一緒に眠りについた。
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