帝人受け


□そんな馬鹿な
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「帝人君、誘ってる?」

「そ、んなわけないじゃないですか…」



嗚呼もう、声が上擦った…!


せめともの抵抗と臨也さんの肩に顔を埋めた

でも少し目を開いただけで余裕の表情は変わらない



「もうほんとに嫌です…
死んで下さい」

「(何この可愛い生き物…)
あは 帝人君かーわーいー」

「…キモイ」

「あれ 帝人君、そんな事言っていいの?」



聞き返そうとすれば、いきなり床に押し倒される

せめて布団にしてほしかった


いきなり押し倒された為反応できず、頭を強くはないが打ってしまう

鈍い痛みが頭にはしった



「っう…
何するんですか…?」

「ごめんごめん
何って、帝人君があまりにも可愛いすぎて予想外な行動をとってくれたお礼でも」



まったく悪びれる様子もなく謝って、僕にとってはお礼じゃない事をしてくれようとする

いい迷惑だ



「気持ちだけで充分です」

「そんなつれない事言わないで、ね」



両手を左右に押さえつけられ、指を絡まらせられれば抵抗するすべはなくなる

せめてもの抵抗と身を捩るしかない



「い、臨也さん…
ホントに止めて下さい…」

「えー、やだ」


 
顔を近づけてくる
どうしよう、僕ファーストなんだけど

セカンドならいいたって(いや、よくないけど)


顔を近づけてこられたら目を瞑るしかない
防衛本能だ



「………っ」



だけど予想していた唇にくるはずの衝撃はこなくて、変わりに声を押し殺したような笑い声が聞こえてきた



「…っあはは!
本当にされると思った?」

「……な、んでしてくれないんですか!」

「……は?」

「…え、あ…いや、忘れて下さい!
今のはなしです!!」



僕は何て事を口走ってしまったのだろうか

そんな、別に期待何かしていなかったはずだ


もうそろそろ僕は羞恥心で死ぬかもしれない



「…帝人君、君は何処まで俺を楽しませてくれるの
俺を笑い殺す気?」

「違いますってば!
さっきのは不可抗力と言うか、思わず言ってしまったんです!」

「でも、さっきの発言の内容にたいする否定がないって事は期待していいのかな、俺」

「そ、それは…」



確かに、さっきの発言自体は忘れろと言ってるものの、内容にたいする否定はしていなかった

本当に僕どうしちゃったんだろう



「でも まあ」

「え…んむっ…」


 
急に臨也さんがキスをしてきた
不意打ちなんて、何て卑怯な

しかも 普通の穏やかなキスではなくディープキス

どんどん侵入してくる舌、それを僕は思わず受け入れてしまった

しかも答えるように舌を絡めている自分がいる

これを待ち望んでいたかのように



「ふ…っん…ぅ」



そろそろ酸素が恋しくなって、限界を訴え
臨也さんの胸を叩くと以外にあっさり離れていった

名残惜しそうな唇と、どちらのか分からない唾液が垂れる



「期待してくれたなら答えてあげないとね」

「はっ……期待何て、してません」

「えー、本当にそうかな
あ、ねぇねぇ帝人君 俺達みたいな関係を何て言うか知ってる?」



わざとらしく首を傾げて聞いてくる

元々顔がいいから様になってしまう


そして、その仕草が可愛く見えた僕はもう末期



「…知りませんけど」

「俺達みたいなの、恋人って言うんだよ」







 
鹿
(冗談は臨也さんの存在だけで充分です)
(あは 帝人君てば照れちゃって!)




 
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