帝人受け


□飛べない、飛べない、飛ばない
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※監禁ネタ



















ジャラジャラと僕の手足、首にまとわりつく鎖

ああ鬱陶しい



「ただいま帝人君」

「お帰りなさい臨也さん」



ガチャッという音と同時に臨也さんが部屋に帰ってきた

僕は感情のこもらない目で返事を返す


これが僕達の日常

勿論最初のうちは出してと泣き叫んだ

けど、一週間もたてば出るのを諦め此処でこうして臨也さんの帰りを待つのが日常になるわけで



「…帝人君てさ」



だいたいは帰ってきても何も言わずに僕の側に居る臨也さんが珍しく喋るものだから黙って聞く事にした



「鳥みたいだよね」

「…は?」



そしたら急に訳の分からない事を言い出した
訳が分からないのは何時もだけど



「帝人君って、俺に監禁されて最初は出してって言ってたけど今は諦めてる
それって鳥籠から出るのを諦めた鳥みたい」

「まあ…そうですね」



臨也さんが感情のとれない貼り付けような笑顔で淡々と語った
確かに間違ってはいないと思う



「本当は今すぐにでも飛びたいのに、飛べない鳥」


 
今度はさっきと違って貼り付けた笑顔から少しだけ悲しさを含んだ笑顔に変わった、一瞬だけ



「…臨也さん、」

「うん?」



僕はそんな臨也さんの顔を見て、
ああこの人は恋愛に不器用何だなって分かった気がする



「臨也さんはなにも分かってないんですね」





飛べない、飛べない、飛ばない
(僕は飛べないんじゃなくて飛ばないんです)



 

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