帝人受け


□そんな馬鹿な
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「ねぇ 帝人君、俺思ったんだけどさ」

「…何ですか」

「帝人君て、シズちゃんの事好きだよね」



この人の思考は本当に分からない、本当に

どうしたらそういった考えに辿り着くのだろうか



「…違いますよ?」

「なのにさどうして俺の事を好きだ何て言うの?」

「人の話を聞いて下さい、それに臨也さんに好きだ何て言った記憶ないんですけど」



僕の話を聞く気はなさそうだった

こうなった臨也さんは誰にも止められない

面倒な事になりそう



「じゃあさ、昨日は何処に行ってたの」

「…言ったじゃないですか
正臣と約束があったって」

「俺は昨日 正臣君がナンパしてるのを見たけど、帝人君はいなかったよ
そのかわり、シズちゃんと帝人君が一緒に居るのは見たけど」

「…そ、れは」



言えない、僕が静雄さんに臨也さんの事を聞いてた何て

恥ずかしくて死んでしまう



「…どうなの?」



言えないけど、状況的に言わないと危ない雰囲気だ



「…用事が、あっただけです」

「ふぅん…本当かな」



臨也さんの誕生日は何時かって静雄さんに聞いた

ついでに好きな物も

あながち嘘でもない

 
考えに耽っていたら臨也さんが視界から消え、ドアに向かっていた



「……臨也さん、何処に行くんですか」

「ちょっと人殺しに」



そんなコンビニに行くみたいなノリで言われましても
と 思ったけど敢えて言わないでおいた

いや、人として止めるべきかな



「…それと、もう此所にはこないから」

「、え」

「帝人君は信用出来ない」



いかにも不機嫌な顔で言われた

それはそう、だよね…
あんな挙動不審に答えれば誰だって信じるわけがない

僕…臨也さんに酷い事しちゃった?

…でも、言い訳も出来ないし、嫌われて当たり前、かな


嫌われたって考えるだけで胸が痛かった



「…何 泣いてるの」

「え、…あ…っ」



気が付いたら 涙が流れていた



「……ごめ、…なさっ」



僕は只、謝る事しか出来なくて



「臨也さっ…の、誕生日…知りたく、て」



もう殆どやけくそで言っていた



「…静雄さん、に…っ」



其以上は言葉に為らなかった


目の前が急に暗くなったと思ったら、凄く落ちつくいい香りがした

気付いた時には 臨也さんに抱きしめられていた



「帝人君…可愛すぎるよ…」
 
「うぇ…!? あ…」



あまりの事に一瞬驚き上擦った声になったが、
臨也さんが怒っていない事に安心した



「臨也さん…」



臨也さんは抱きしめてきたかと思うと、肩に額を押し付けてきた



「んー?」



その間抜けな返事に少し可愛いなんて、
思ってなんかいない



「あの…すいませんでした…」

「別に、ぜんぜんいいよ
初めから知ってたし」

「……は!?」

「むしろ嬉しかったなー
帝人君が怒った俺に泣きながら必死の弁解とか、俺の事をシズちゃんに聞いたり」

「………臨也さんて何時死ぬんですか」



可愛い何て思った僕が馬鹿だった

つまり臨也さんは全て分かってのうえで、僕の行動を見て楽しんでいたと

…ほんと、何時死んでくれるんだろう


…その余裕の顔を崩したかった
臨也さんの顔から笑顔が消して、驚きに変えたかった



「帝人君てば、死ね何て物騒な言葉 だめ……え」

「臨也さん、いい加減死んで下さい」



臨也さんの唇に触れるだけのキス

言葉とは裏腹な行動に流石の臨也さんも半分口を開けた状態でぽかん…勝った

と思ったんだけど自分がした行動に今更恥ずかしくなって俯く
 
それを見た臨也さんに余裕の表情が戻った…




 
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