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夜中の深夜3時をまわった頃

改めて僕は今日現代の臨也さんと一緒に出掛けた事を後悔した


――来なきゃよかった、
本当に何で僕此処にいるんだろう

現代の臨也さん、呪おう
いや現代に帰ったらとりあえず刺す



 ♂♀



「とりあえず帝人君、一つ聞きたいんだけど」



よく考えたら初めてかもしれない臨也さんの家に入り、とりあえずソファに座った

広いとは思っていたけどここまでとは

一人暮らしでこれは広すぎるんじゃないかと思うぐらいだ



「なんですか」



僕は臨也さんの出してくれた紅茶を啜りながら返事をした



「君って本当に6年前の帝人君だよね?」

「まあ、そうなりますね…
っていうか、臨也さんそれ知ってるんじゃないんですか?」

「うん、6年前の君が此処に来るのは知ってたけど、あまりにもこの時代の君と似てたから」



6年後の僕っていったい



「あんまり成長しないみたいだね」

「…それ言うなら臨也さんこそ全然変わってないじゃないですか」

「そう見える?」



そう言って怪しげに笑い臨也さんの顔が近づいてきた

顔いい人は狡いと思う



「見えます…、」


 
鼻と鼻がぶつかって少し動いたら唇が触れる距離まできた

その近すぎる距離に僕は息を詰まらせた

やっぱり、何か変わってるのかもしれない

オーラというか雰囲気が違う



「気付いた?」



僕の心でも読んだような絶妙なタイミングで聞かれる

何がとは言わずとも分かった



「僕、帰ります」



危険危険、僕の頭の中で警報が鳴り響く

もっと早くに気付くべきだった
この人は危ない



「何処に?」

「え?」

「何処に帰るの」



返答に詰まる

それを聞かれると答えれる場所がない

けどここで黙ったら負けというか、僕の身に危険を感じた



「…エレベーターに」

「そのエレベーターは何処にあるの?」

「うっ……いや、多分そのうち現れますから、」

「そう簡単には現れないと思うけどなぁ」



未だ顔は目の前にある

いつの間にか両手首まで臨也さんに捕まれていた



「それにさぁ、大事な話はこれからなんだよ」

「大事な話…?」

「そ、ある人から伝言」



臨也さんが真剣な顔で言った
今までのはおふざけだと言わんばかりに

けど、顔は離れたが両手首を離す気はないらしい


 
「帝人君は自分がどうゆう状況で此処に居て、何をしたらいいか分かってる?」

「…いいえ」

「俺はそれを説明する義務がある」

「えっ…」

「まず聞きたいんだけど君の現代の方でエレベーターに乗ったのは何月何日の何時かな?」

「ええと…12月24日の午後9時ぐらい、です」

「クリスマスイブの夜ね……全部あいつが言ってたとおり、っと」

「あいつって…?」

「ああ、何でもないよ
こっちの話」



そう言って怪しげに口角を上げた

臨也さんが言う話の内容がいまいちよく分からないがここは黙って聞いてた方がよさそうだ



「帝人君さ、多分9時ぴったりぐらいにエレベーター乗ったでしょ?」

「あー、…はい」



あれは乗ったと言うより押されて乗ってしまったの方が正しいが



「そのエレベーターは、その日のその時間にしか乗れないって噂があるんだ」



クリスマスイブの夜9時にしか乗れないエレベーター何て不思議だと思う
実際不思議とかのレベルではなかったけど

でも、そうゆう面白そうな噂ってカップルとかが反応しそうだけど、僕が行った時誰もいなかったのは不自然ではないのだろうか

そんな僕の心情を察してか臨也さんが話の続きを言った
 


「まあ これは噂って言うより事実だ
実際何人もの人が試してる
けど、帝人君が行った時誰もいなかったのは危険だから」

「え…危険って、」

「さっきも言ったとおりに、何人もの人が試してるんだ
だけど入った後どうなるのかは誰も知らない
皆無事に戻ってこれなかったんだ
あ、いや一人だけ戻ってこれた人はいたみたいだけどね」



ちょっと僕の頭の方が追い付かなくなってきた

戻ってこれなかったってつまり、僕が今までにやった試練に失敗した事と予想出来る

…僕試練に失敗してたら危なかったんじゃ



「…それって、僕もちゃんと戻れるか保証はないって事ですか」

「そうだね、確実に戻れる方法は俺も知らないし」

「…臨也さんは僕にそんな危険な事をさせてどうするつもりなんでしょうか」

「さぁ、俺は君の知ってる折原臨也じゃないからね」



とりあえず、試練には忠実に取り組んだ方がよさそうだ



「そうですね…ありがとうございました、色々教えてくれて」

「俺も帝人君の役に立てたなら本望だよ
だからさ、まさかこのまま帰ろうとか思ってないよね?」

「え…」

「お礼はするのが礼儀だよね」



 ♂♀



 

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