小説

□私が、いなくても
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カオスでの練習をしているとき、ふと思った。

バーンとヒートは、とても仲が良いなあと。

確か、2人は幼馴染だと聞いたことがある。
仲が良いのは当たり前だろう。

しかし、その光景は私にとって不愉快なものでしかなかった。
バーンは、ヒートがいれば、私なんかがいなくても平気なんだろう。

     「っ!」

耐え切れなくなって、私はリオーネに体調が悪いと告げ、部屋に戻った。



(私なんかがいなくても・・・いや、むしろ私は必要とされてないのかもしれない・・・)

気づかぬうちに、目から涙が溢れ出していた。

(・・・泣くなんて。かっこわるい。)

服でふこうとしたそのとき

ガチャ

「ガゼル〜!体調どうだ〜?って。な、泣いてるのか!?ガゼル!?」

そこに立っていたのは、バーンだった。

「!!!バーン!!!」

思わず顔をそむけた。こんな弱い自分、みせたくなかったから。

「どうしたんだ?一体・・・俺でよければ話してみろよ。なっ?」

バーンがいつになく優しい微笑を浮かべて問い掛ける。

「・・・私は。必要とされてないのかなと思って」

「は!?」

「だからっ!バーンもヒートがいれば私なんてどうでもいいのかなと!思っ・・・て」

「んなわけねえだろ!」

ギュウッと抱きしめられた。温かくて、少し苦しい。

「みんなもお前の事必要としてるし!もちろん俺もお前の事大好きだ!だから・・・泣くな!ガゼル!」

その言葉は、今、私が1番欲しかった言葉だった
今度は、嬉しくて涙があふれてきた。

「うっ。ひっくバ〜ン〜!」

「えっ!?ちょお!これ以上泣くな〜!」

私は、今まで何度バーンに助けられているのだろう。

(恥ずかしくて、声には出せないけれど・・・
私もバーンが・・・大好きだから・・・)




あとがき
暗いといっていたのに、あんま暗くないような・・・とにかく、こういうガゼル様を書いてみたかったんです!
読んでいただきありがとうございました!

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