†イナイレ†

□親友の役目?
1ページ/1ページ

親友の役目?

合宿所の食堂のテーブルに突っ伏して、円堂が盛大な溜息をついた。

今日の練習が終わった後から、ずっとこの調子だ。鬼道が気にして話し掛けても、大丈夫だと笑うだけで何も話さない。鬼道も気にしているクセに、それ以上は何も聞かない。

お互いに心配をかけたくないのは分かるが、これでは何も解決しないままだろうと、お節介かも知れないが話を聞いてみる事にした。

「円堂…、今日はらしくないな」

「豪炎寺ー、はぁー…」

「お前がそんな状態だと、鬼道が更に心配するぞ」

鬼道、と名前をだせば、突っ伏していたテーブルから顔を上げて、俺を見た。

「なんていうか…、心配してくれてるのは嬉しいんだけどさ。話しても仕方がない事なんだ」

「どういう意味だ?」

円堂の隣の椅子に座り、更に先を促す。

「試合中とか練習中に、さ。俺も鬼道に名前呼んで貰ってパス貰いたいんだ」

「…………」

告げられた内容に目を丸くして言葉を無くした。

「それだけか?」

「それだけって、…そりゃ、豪炎寺にはわかんないよな。パス貰ってるしさー。それにポジション的な物もあるから、俺の我が儘ってのもわかってんだ」

でも、パスして貰いたい。と俺の反応が不服だったのか、拗ねた口調になりながら再びテーブルに突っ伏してしまう円堂を見て、俺は小さく笑った。
こいつは大事な所が見えていないんだな。

「なぁ、円堂」

「ん?」

「鬼道がどうして、試合中に自由にゲームメイク出来るか知っているか?」

顔だけ俺の方を見て、小さく唸る相手に更に言葉を続ける。

「お前がGKで俺達の背中を守っているからだ。だから、アイツは安心して色んなヤツにパスを回せる」

「豪炎寺…」

「そんなお前が、鬼道を不安にさせてどうする…」

俺の言葉にハッとしたのか、勢いよく立ち上がり椅子が大きな音を立てた。

「そうだよな!俺、鬼道に謝ってくる!ありがとな、豪炎寺!」

「あぁ…」

俺の返事も待たずに駆け出していった後ろ姿を見送り、いつもの調子に戻ったのを確認して、今度は喉を鳴らして笑った。

「全く、世話が焼けるな…」

ぽつりと漏らした独り言は、仲の良い二人の背中を押すように、穏やかに響き渡った。


アトガキ
最高です鼻血もん
我が儘なキャプテン可愛いです!
豪炎寺の慈愛に満ちた感好きだぁ
やはり泪様のかくイナイレ大好きだぁ

2010/07/20

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ