†イナイレ†
□親友の役目?
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親友の役目?
合宿所の食堂のテーブルに突っ伏して、円堂が盛大な溜息をついた。
今日の練習が終わった後から、ずっとこの調子だ。鬼道が気にして話し掛けても、大丈夫だと笑うだけで何も話さない。鬼道も気にしているクセに、それ以上は何も聞かない。
お互いに心配をかけたくないのは分かるが、これでは何も解決しないままだろうと、お節介かも知れないが話を聞いてみる事にした。
「円堂…、今日はらしくないな」
「豪炎寺ー、はぁー…」
「お前がそんな状態だと、鬼道が更に心配するぞ」
鬼道、と名前をだせば、突っ伏していたテーブルから顔を上げて、俺を見た。
「なんていうか…、心配してくれてるのは嬉しいんだけどさ。話しても仕方がない事なんだ」
「どういう意味だ?」
円堂の隣の椅子に座り、更に先を促す。
「試合中とか練習中に、さ。俺も鬼道に名前呼んで貰ってパス貰いたいんだ」
「…………」
告げられた内容に目を丸くして言葉を無くした。
「それだけか?」
「それだけって、…そりゃ、豪炎寺にはわかんないよな。パス貰ってるしさー。それにポジション的な物もあるから、俺の我が儘ってのもわかってんだ」
でも、パスして貰いたい。と俺の反応が不服だったのか、拗ねた口調になりながら再びテーブルに突っ伏してしまう円堂を見て、俺は小さく笑った。
こいつは大事な所が見えていないんだな。
「なぁ、円堂」
「ん?」
「鬼道がどうして、試合中に自由にゲームメイク出来るか知っているか?」
顔だけ俺の方を見て、小さく唸る相手に更に言葉を続ける。
「お前がGKで俺達の背中を守っているからだ。だから、アイツは安心して色んなヤツにパスを回せる」
「豪炎寺…」
「そんなお前が、鬼道を不安にさせてどうする…」
俺の言葉にハッとしたのか、勢いよく立ち上がり椅子が大きな音を立てた。
「そうだよな!俺、鬼道に謝ってくる!ありがとな、豪炎寺!」
「あぁ…」
俺の返事も待たずに駆け出していった後ろ姿を見送り、いつもの調子に戻ったのを確認して、今度は喉を鳴らして笑った。
「全く、世話が焼けるな…」
ぽつりと漏らした独り言は、仲の良い二人の背中を押すように、穏やかに響き渡った。
アトガキ
最高です鼻血もん
我が儘なキャプテン可愛いです!
豪炎寺の慈愛に満ちた感好きだぁ
やはり泪様のかくイナイレ大好きだぁ
2010/07/20