†カカベジ†

□ス『キ』ライ
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「気ぃ、すんだ、か?」


俺の下でそれはいつもみたく微笑む。金色の光であらわになる殴られて腫れた頬も、鼻と口から伝う赤筋も消してしまうくらい優しく笑う。
むかついた、腹がたつ。そんな見慣れたものなど見せられたら興ざめだ。
俺が見たいのはそれじゃない。
俺が望むのはそんな見飽きたものじゃない。

「くそったれめ」

「へ、へへ。えらく今日はご機嫌ななめなんだな」

「黙れ」

「いつもと逆に、なっちまったな。にしてもよぉ」

散々痛め付けたはずの奴の腕が俺の額に触れた。そのまま、額に浮かんでいるだろう忌ま忌ましい印を指でなぞる。普段の俺なら「触るな!」と叩き落としているだろう。

「バビディは死んだはずなのになぁ。なんでだ?」

「これは俺様の悪だ。だから消えることなどない」

「おめぇの悪、か。確かにおめぇ悪人だもんな」

ははっ、と無邪気にカカロットが笑う。

バキッ

「俺の悪など今はどうでもいい。貴様、今どんな状況なのか分かってるのか?」

「ぺっ…、おめぇがオラを殺すって状況か?」

俺は口端をゆるりとあげる。分かっているじゃないかバカロット。 そうだ、貴様さえ殺してしまえば俺は戻れるんだ。

あの頃の俺に、純粋な悪に。

貴様が俺だけのモノにならないなら、これ以上俺のプライドがぐちゃぐちゃにされるまえに消滅させてやる。ああ殺してやる、俺はそれを目標に今まで生きてきた。気に入らないことも受け入れた。

「殺してやるっ!カカロット!」

ぐっと力を込めた握りこぶしを鳩尾にいれる。「ぐぁ…!」と苦痛な声と嗅ぎ慣れた血臭に内心興奮しながら、冷めた目でカカロットを見下ろす。それでも奴はまだ笑うだけだ。

この…!

なぜだという焦燥と、馬鹿にされているような感覚に腹の底から怒りがぐつぐつと沸き起こる。

「へ…へへ」

内心舌打ちした。まだ奴は表さない。
それは本当の貴様ではないだろうカカロット。俺が見たいのはそんな羊みたいな目ではない。…俺と同じ狩る目。


【ケモノノ眼】


「いい加減にしやがれカカロット」

「?」

「この野郎!いつまで遊んでやがる!貴様ならこんな攻撃交わして反撃を食らわすだろうが!」

カカロットの胸倉を掴み上半身を起こさせた。奴は相変わらず苛立つくらいきょと、とした眼を向けてくる。

「ベジータ?」

「俺を馬鹿にしてやがるのか?!」

「馬鹿になんかしてねぇさ。ただよぉ」

すっ、とごつごつした大きな手が頬に触れた。カカロットの体温が伝わる。

「こんなおめぇも悪くねぇなって」

「…くそったれが」

こいつは淡々と語りやがるがその重要性を知らないだろう。
惨めで生き恥を曝して、そしてこんなに醜態をさらけ出して。
お前だけが、俺を壊してしまうのに。

「…ベジー」

「カカロット」

俺は噛み付くように奴の唇を奪う。がり、と牙をたてれば口の中に温いものが広がった。
俺以外にはもはや存在しない、生粋のサイヤ人の血…。
それをもっと味わいたくて積極的に貪る。カカロットは驚愕したまま俺の好きなようにさせていた。

「ふ…、は…っ」

「ベ……ジっ」

どれくらい長くそうしていたのか。まるで窒息死してしまいそうなくらい、俺はカカロットの口を塞いでいたらしい。

「珍しい、なぁ。おめぇからなんて」

「うるさい」

「けどオラ、幸せすぎて死にそうだ」

「貴様なんかとっととあの世に逝ってしまえ」

「素直じゃねえの。オラがいないと淋しいくせに」

「…ああ」

「え……っ」

「俺様は寂しいんだ。だからカカロット、貴様は俺だけを見ていろ」

この俺を真に欲するなら、お前にはよそ見をする暇なんてないはずだ。

「貴様は俺のものだ、カカロット」

ただひたすらカカロットに噛み付いた。
唇に、耳に、首筋に、鎖骨。

このまま貴様を食べてしまえば俺はずっとカカロットと…。


「それ、オラの台詞」


楽しそうな笑みが奴に浮かんだと思うと、瞬時に黒い蟹頭が金色に逆立った。無邪気なガキの目は鋭い肉食動物のような翡翠の瞳へと変貌をとげる。


ぞくりとする。俺だけが知る、こいつの闇。


「おめぇは誰のもんなんだ?ベジータ」

憎々しい笑みを浮かべて、俺の唇にカカロットのごつい指が触れた。


がりっ…


「ぺっ…。勘違いするなカカロット。俺は俺様だけのものだ!だが貴様は俺だけのものだ」

「ずりぃの。でもオラ、そんなおめぇも大好きだからしかたねーよな」




アトガキ
ボコリ愛っていいですよね←Σ
すみません、リクは『ヤンデレ風襲い受けMベジ』だったんですが…ヤンデレがわからなかった…!!!くぅぅ
というか相変わらずひどい文章(・_・、)


でも一生懸命書きました!
相互記念としてかず壱様のみお持ち帰りオッケィです!!


2010/04/22


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