†@ラス†
□惜しみなくキミ
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「…で、もっかい聞くけどあんたゲイルなんだよな?」
「もふもふ(そうだ)」
俺はベッドに横たわり隣で大人しく丸まってる白いふわふわの兎の背中を撫でる。その度に心地好さそうに翡翠色のまんまるい目が細められて凄く可愛い。これがあの鬼参謀だなんてとてもじゃないけど想像出来ないだろうな皆。
「でもなんでそうなったか分かんないんだろ?別にハントに行ったわけでもねぇーんだし」
「もふもふ(そうだ)」
「大体さぁ、ゲイルに分かんない事が俺に分かるはずないしなぁ。…ほんっと兄貴どこ行ったんだろ」
「もふもふ…(全くだ…)」
実は此処は兄貴の部屋じゃなくてゲイルの自室だ。兄貴はヒートと一緒に何処かに出掛けているらしくて、じゃあアルジラ達に原因を知らないか聞いてみようとゲイルに提案したら小さな前歯で指を噛まれた。プライド高い参謀様は知られたくないらしい。地味に痛かった。
だからとりあえず今の俺達は兄貴の帰り待ち。
「しっかしブラザー、可ー愛いなぁ」
「もふもふ(うるさい)」
「もうちょいこっち来いよー」
先が緑色の長い耳を撫でながらその小さな体躯を顔の横まで抱き寄せる。小さくてまんまるい目はまるで翡翠色の小さな宝石みたいにキラキラ?してる。きれい?だなぁ。
「もふもふ(なんだ)」
じっとゲイルを見つめていた俺は、問うような目でゲイルが俺を見てきたから一瞬何て言えばいいのか言葉に詰まった。意味なんてなくてただじっと見ていたくなっただけだから。だから俺は誤魔化すようにゲイルの頭を撫でる。普段とは全くの正反対。
ゲイルが撫でてくれたら安心するように、ゲイルも俺が撫でて安心してくれてたら嬉しいなぁ。そんな事考えてると段々不安になってきちまった。
「なぁゲイル…、ちゃんと元に戻れるよな?」
当たり前だと言わんばかりにゲイルがじろりと睨む。兎らしからぬその眼光に俺はゲイルだと何処か安心してホッと息を吐いた。心に余裕が出来た俺は上半身を起こしてゲイルを抱き上げ、視線を合わせてにっこり笑う。
「ゲイル!もし戻らなかったら兄貴達に頼んで俺が飼ってやるからなブラザー!」
「…もふもふもふもふ(…余計な世話だ)」
げしっと可愛い足が俺の顔面に飛んできた。痛かったけど、滅多に見られないもの見られたから俺は満足!だってゲイルの小さな小さな尻尾。
ふわふわ揺れてたし。
(惜しみなくキミ)
アトガキ
NirvaaNa -ニルヴァーナ-/桐岾様とまさかのコラボ!今年が卯年というわけで我らが鬼参謀を可愛い卯参謀にしてみました(笑)
桐岾様の書かれる参謀が可愛くて可愛くてもう私が興奮しっぱなしです。それに文も綺麗ですよねー。
それに比べて私のシエロ視点あいたたです(笑)実はタイトルはシエロ寄りらしいですよ←
さて桐岾様この度は本当にありがとうございました!!
2011/1/7