了平兄さんと純愛
□一緒に歩く
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「極限に好きだ!!付き合ってくれ!!」
体育祭で主将を努め見事団の優勝を果たした京子ちゃんの兄、笹川了平は
校庭でいつもの大声でこう、言ってきた。
これが、私たちの純愛の始まりだった。
「うふふ(^o^)
お兄ちゃん、羽津ちゃんへの恋が実って最近すごく上機嫌だよ♪」
「ほんと?
勢いでOKしちゃったけど、多分普通にいい人だよね!
京子ちゃんのお兄ちゃんだし。」
あれから2週間。
京子ちゃんの家でお茶をしていた。
了平さんは付き合う前から京子ちゃんのお兄ちゃんということで繋がりがあり、顔を合わせる度いろいろな話をしていた。
学校の話、部活の話は当たり前だけど、
今日の指のテーピングの具合とか今日の昼飯とかなんでも話してくる。
好きな色だとか食べ物だとかなんでもかんでも聞いてきてインタビューみたいだった時もある。
好きな男はいるのかとか普通に聞いてきたときはびびった。
質問されたとき、心の片隅に了平さんがいた。
とりあえず了平さんのアプローチはすごかった。
雨なのに傘を持ってなくて困ってたら、それを聞きつけた(?)了平さんはわざわざ学校まで走ってきて、傘に入れと言ってくれたり…
熱いけど、紳士な了平さんに私は確実に惹かれていた。
「お兄ちゃん、なんか迷惑かけてない?」
「全然かけてないよ」
「そっか…なんかあったら言ってね、私からも言うから…」
「気遣ってくれてありがとね〜( ; ; )」
こんないいコのお兄ちゃんなんてもうすごくいいお兄さんだろうな。
いい彼氏持ったと思う。
モテないのはやっぱり暑苦しいからだと思うけど…
ガチャッ
タッタッタッタッ
「帰ったぞ京子ー!!……羽津じゃないか!来るなら連絡しろと言っておろう!」
「ご無沙汰してます」
固いよ羽津ちゃん、と笑う京子ちゃん。
いやまじ年上だから意識しちゃうんだって。
2人で囲んでたテーブルに割って入る了平さん。
「今日は部活が終わって走って帰ってきたら4分で家に着いてしまってな…予定よりも早く家に着いてしまった」
「あはは、お兄ちゃんったら」
すごいなほんと…汗
何目指してるんだ
ふと時計を見て気付いた。
もう7時だ
もう帰らないと…
「じゃあ、私帰るね、ありがと京子ちゃん!」
「うん!また明日〜!」
「了平さんもまた明日…」
「待て!夜道を歩くなんて危ないだろ。
俺が送って行く!」
「え、いや、でも」
「遠慮するな」
了平はそう言って腕を掴んで、家をあとにした。
「りょっ了平さんっあ、ありがとうございます//」
あああああ
やっぱり2人になると恥ずかしいよーー!
心臓がバクバクバクバクうるさい!!
しかも体が落ち着かないというか……
このままじゃもたなそうというか
「気にするな。むしろ男なら女を自分より大事に扱うものだ」
「//そっそうなんですか……//」
「おい、恋人なのに敬語なのか?」
「……え?」
「気に入らん。俺を名前で呼んでみろ。」
「え?え?え?」
「羽津!」
「ひえええええ了平さっりょ、りょうへ……やっぱり無理でござんすよおお」
「変に敬語を混ぜるな!呼んでみろ了平と!!」
「ウォッッ」
ガシッと肩を掴まれ、向き合うようになった。
瞬間、顔が熱くなっていく。
「?大丈夫か?
茹でたタコみたいになってるぞ」
「そ、そんなに……」
「ほら、早く言ってみろ!」
「りょっりょっり、ょ、了平、了平」
「いいじゃないか!!これからはそれでいこう!!了平と呼べよ!」
「は、はい」
上機嫌な了平さn、了平は
家まで20分ほどかけて送っていってくれた。
星が綺麗な夜で、
お互いのことをいろいろ話した。
「あ、約束してたハチマキ」
家まで着いて、体育祭のときのハチマキを交換した。
「俺の汗がしっかり染み付いたまま洗ってないからな!!
ハハハハハ!!!」
「えっ洗ってないんですかーー!!」
「当たり前だろう!!洗ったら負けだ!」
「なんで!?汗」
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