中編、短編
□行け行け島国同盟!
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ここは日本の家。
「アーサーさん!一つお願いしたいことがあるのですが!」
「へっ!?菊!?急にどうしたんだ!?」
いつもより積極的な菊に驚くアーサー。しかしそんなアーサーの反応などお構い無しに菊は卓袱台に手をバンと置き、話を続ける。
「あのですね、どうしてもアーサーさんにお願いしたいことがあるんです!」
「いっいや、別に俺は構わないが………なんか今日のお前変だぞ?」
軽くアーサーが引くが菊はそんなことなど気にしない。何やら横に置いていた袋から何かを取り出しそれを卓袱台の上に置く。
「きっ……菊、これは?」
「普通の猫耳ですけど?」
きょとんとした顔で首を傾げる。アーサーはそれに深く息を吐いた。
「いや、猫耳なのは分かるんだがなんで?」
「何故って決まってるでしょう?これがお願いしたいことですよ」
「はっ…はぁ?」
「私がお願いしたいことはアーサーさんにこの猫耳をつけてほしいということです」
「なるほど、それが俺に頼みたいことなんだな……ってはぁ!?」
「はい、そうです。なのでさっそくつけて下さい。先程別に構わないと言ったでしょう?」
卓袱台を横にずらし、猫耳を両手で構えながら笑顔で近づいてくる菊はいつもの彼と違って怖い。
「いや、別に、俺は、内容聞いて、なかったから、いいって言った、だけで…その、猫耳をつけることにいいって言ったわけじゃ………」
説得しようと必死に説明するが、アーサーの言葉は菊の耳には届いていないようで目を輝かせながらじりじりと近づいてくる。
アーサーも必死に説明しながら後ろに後ずさりする。
「きっ菊、お前八橋はどうした?こういう時は遠慮した方がいいんじゃねーか?」
「ふふっ」
菊は小さく笑うと、動きを止めた。だがその手は猫耳を離そうとしていない。
そして
「善処します」
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!」
地獄が始まった。
廊下を走り回る二人。というかアーサーが菊から逃げ惑っているといった方が正しいだろうか。笑顔で追いかけ続ける菊がかなりと言っていいほど怖い。
「待って下さいよアーサーさん!」
「誰が待つかぁぁぁぁぁ!」
「ついでにメイド服もおまけしちゃいます」
「もっと嫌だあぁぁぁぁ!!」
………今日も島国達は平和です。
「どこがだあぁぁぁぁぁ!」
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はい、というわけで始まりました島国。
これは島国二人が一緒に暮らしてるという設定です。
と言ってもアーサーが居候してるって感じですが。
この後どうなったかはご想像にお任せいたします。
これからも今回と同じような短編が続きます。
別のキャラもこれからどんどん出してく予定です。
途中からアルも足して、はぐれ組の話も書いていきたいと思ってます。
ではー。