「言わない言葉」
決して「愛（かな）し」とは言わない君。
けれど、夜月を見ていると……「お前といると月が美しく見える」と言ってくれる。
決して「I love you .」とは言わない君。
けれど、ふっとした瞬間……「お前となら死んでも良い」と言ってくれる。
決して「Ti amo.」とは言わない君。
けれど、怪我を負ったのがばれた日……「ずっとお前を守る」と言ってくれる。
決して「Je t'aime.」とは言わない君。
けれど、世界一の料理を食べた時……「お前の方が美味しそうだ」と言ってくれる。
決して「Jeg elsker deg.」とは言わない君。
けれど、冬の寒さが凍てつく早朝に……「どんな炎よりもお前の手は温かい」と言ってくれる。
決して「Ich liebe dich.」とは言わない君。
けれど、世界に敵しかいなくなった時……「お前といると百人力だ」と言ってくれる。
臆病な俺を許して。
目を見て、そんな言葉なんて恥ずかしくて言えないから。
だから俺はこんなモノで言葉を濁してしまう。
でも、きっとお前なら俺の隠した言葉を見つけてくれると分かっているよ。
一生、死んでも、伝えられないから。
気づいて、そして、お前の気持ちも俺に教えて？
〜END
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