□視線の行く先
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「息抜きも必要ですぜィ?」

都合よく転がっていた土方愛用の煙草の箱を背中に押し付けてみる。
だが、無視する事に決め込んだらしく、全く反応が無い。

「ぶっ続けでやってたら、逆にペースが落ちまさァ」

中身を全部取り出し、これまた都合よく落ちていたペンで落書きを始めた。
が、そんなものもすぐ飽きるに決まってる。

「土方さ〜ん」

つまらない。
非常につまらない。
何で自分がこんな目に遭うしかないんだ。
沖田は勢いよく起き上がると土方目掛けて、落書きした一本を投げつけた。
上手い具合に彼の頭に当たり、上手い具合にその手元へと落ちる。
ペンの音が止んだ。

プチ。

さすがに我慢の限界らしい土方が鬼気迫る表情で沖田の方を振り向いた。

「いい加減にしろよなこのクソガキ!! 暇じゃねぇって言ってんだろうがっ!! 第一この仕事の大半はなぁ、お前が馬鹿しなきゃ本来無かったものなんだよ!!! なーにが息抜きだ! 邪魔なんだよ、さっさと何処か行きやがれ!!」

飛ばされた煙草とたった今まで吸っていた煙草を握り潰し、一気に捲くし立てる。
すさまじい怒鳴り声を沖田は顔色一つ変えずに聞き流した。
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