□あなたに特別を!
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でも諦めた訳じゃないらしい。

「近藤さんからは貰うくせに」

後ろから文句を言ってきた。
イベント好きの我等が局長はこういう事を見逃さない。毎年何かしらのプレゼントを用意していたりする。

「あの人は何か仕組んだりしないからな」

「これも普通のチョコですぜ」

「それ食い物っ?!」

「へィ」

土方の言葉に、沖田は包装を解いてみせる。中には一口程のチョコが三つ並んでいた。ちなみに全部ハート型。

「たっぷり愛を込めて作りやしたぜ」

「呪いの間違いじゃねぇか」

押し付けてくる腕から逃げるように、無意識に一歩後退する。
手作りという事に、受け取ってしまった場合への不安要素が一つ増えた。
箱自体に仕掛けは無かったようだが、チョコには何がしてあるか分からない。
いつもの悪戯を通り越し、本格的な毒薬が入っていたら流石にヤバい。
そして恐ろしい事に可能性は決して零ではなかったりするのだ。
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