□覚醒妨害
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*覚醒妨害*

時刻は昼過ぎ。場所は南向きの縁側。
風は穏やか、天気は晴れ。
昼寝にはもってこいの状況だ。
最も、それが目的で此処に来たのだが。
愛用のアイマスクを着けて、その場に寝そべる。
早朝や夜は、もう防寒具の一つでも着けないと見廻りすらやっていられない寒さなのに。
昼間の日向は、こんなに暖かい。
日差しを全身に浴びながら、眼を閉じた。

---

不意に眼が覚めた。
まだはっきり言って眠い。
周囲の気配を探ってみるが、怪しい感じは無い。
日も陰っていないし、寒くなった訳でもない。
自分が目覚めた理由に首を傾げつつ、寝返りを打つ。
改めて寝ようとすると、微かに聞き慣れた足音がした。
こちらに向かっている様だ。
敢えて動くのを止めて、その人物を待つ事にする。
俺の姿が見える位置に来るまで後、3。



1…
「ああっ副長!ちょっと良いですか!?」

聞こえたのは、俺への怒鳴り声で無く、変な風に慌てた監察の声。
直ぐそこまで来ていた足音が止まった。

「あ?何だ山崎」

バタバタと寄って来た音が、同じ位の位置で止まる。
二人は少し会話を交した後、俺とは逆方向へ行ってしまった。
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