お題

□ある日、あなたに捕まった。
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私は、大沢結祈。
いたって平凡な高校二年生。

何か変わったこともなく、平凡な毎日を過ごしていた私に、突然災厄が襲ってきたのだ。


それは、三日前のことだった。



「あー、頭痛い…。保健室で横になるしかないか…」

なんだか朝から頭痛がしてたんだけど、とうとう我慢の限界がやってきた。

クラスメイトに保健室に行くことを告げ、保健室へとノロノロした足どりで向かう。

(保健室行くのイヤなんだけど、この頭痛に勝てないしなぁ…)

なぜ、私が保健室に行くのをイヤがっているかというと、保健の先生に問題があるからだ。
明智先生というのだが、彼は見た目が不気味で、言動もかなりヤバイ。
人体実験をしているという噂が生徒達の中であって、誰も保健室に近寄ろうとしないのだ。

(一体、何のための保健室なんだか…)

ため息をつき、先ほどのクラスメイトの言葉を思い出す。


「えっ!アンタ、保健室行くの!?命知らずってか、チャレンジャーだよね〜!
アンタの骨は私が拾ってあげるから、ドーンと行ってらっしゃい」



一体彼女の中では、私は何をされているのだろうか?
いくらなんでも、明智先生はそこまでしないだろうと思いつつ、保健室の扉を開ける。

「すいませ〜ん。頭が痛いので、寝か…」

扉を開けると、明智先生が居るものと思っていたのに、先生が居なかったので、言葉を最後まで言い終えることがなかった。

先生が居ないのなら好都合だ。
さっさと寝ようとベッドの方に向かう。

空いてるベッドの方へ向かうと、なにやら声がする。


「……ぅあん」

(ん…?)


「あぁん…はぁ…ん」

(ギャー!!あ、アレの真っ最中なのか!?)

こんなところで寝てられるか!と思い、この際屋上でも体育館裏でもいいから、避難しようと後ずさった。
けれど、後ろにイスがあるのに気づかず、ズッテーンと音がしそうなくらい、思いっきりこけてしまった。

「いたたた…」


お尻を強打し、お尻を撫でながら立ち上がると、シャッと声がしていた方のベッドのカーテンが開いて、中に居る人が見えた。

「Hey!誰だ!?オレの楽しみを邪魔してくれたヤツはよォ!?」

「ひぃ!」

現れたのは、制服のブラウスのボタンをはずされて、下着があらわになった女の子(たぶん一年生かな)と、クラスは違うけど、同じ学年で学校内で知らないものはいない、伊達政宗だった。

女を、とっかえひきかえで遊んでいるって聞いたことがあるけど、こんなところであんなことしなくてもいいじゃないか!
ここは学校の保健室なんだぞ!
ヤりたかったら、ホテルにでも行け〜!!

…なんてことは絶対言えるわけもなく、今は機嫌悪そうな視線に耐えている。


「おい、テメェは失せろ。テメェとは、今日で終わりだ」

一瞬、自分に向かって言ったのかと思ったが、どうやら一緒に居た女の子に向かって言ったらしい。

女の子は涙で目を潤ませながら、乱れた服装を直してパタパタと保健室を出て行った。



あっけにとられてポカンとしてたら、急に顎をつかまれて上を向かされた。
さっきまで、離れていた伊達政宗の顔が間近にある。

「よくも邪魔してくれたよなァ?オレの邪魔をした罪は重いからなァ…。…ん、よく見たらお前、オレ好みの顔してるじゃねぇか…。
よし、罰としてオレの言うことを何でも聞いてもらおうか」


この言葉を聞いて、ガーンと死刑宣告を受けたようだった。
こんな女遊びの激しいヤツの言うことを聞くなんて、何をさせられるかわからない。

それも、いつの間にか手首握られてるしぃぃ!!



ある日、あなたに捕まった。
「放してもらえますか!?」
「イヤだね。放したら逃げるつもりだろお前」
(…当然でしょ!)
 

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