お題
□兎はさみしくても平気なはず。
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私は大沢結祈。
最近は、私の隣に伊達政宗がいるのが、すっかり当たり前の光景になってしまった。
けれど、その当たり前の光景が今日はない…。
いつもだったら、学校に登校した時から政宗に付きまとわれてるのに、今日は朝から政宗の姿を見なかった。
もうすぐお昼なのに、いつまで経っても政宗は私の前に現れない。
(一体どうしたんだろ?もしかして、今日は休みなのかな?)
少し前の私だったら、政宗につきまとわれなくて済むって喜んでいただろうけど、今の私には何だか物足りない…。
いつもまとわり付かれてウンザリしてるのに…。
だから、すご〜く喜ばしいことなのに、なんで…なんで私はこんなに寂しいって思ってるんだろ…。
「Honeyはオレがいなくても寂しくねぇのか?」
「ぜーんぜん!むしろ政宗がいない方が、平穏な毎日が送れるだろうから、いない方がありがたいわ」
「そうなのか…」
前に政宗とやりとりしたことを思い出してみる…。
(そうなのかって言った時の政宗、少し寂しそうな目をしてたな…)
私があんなこと言ったから、政宗こなくなったのかな…。
兎はさみしくても平気なはず。
(寂しいのが平気なわけないよ…)
「Honey」
(とうとう、幻聴が聞こえたわ…。ヤバイヤバイ)
「Honey!」
「ま、政宗っ」
「寂しくしてなかったか?」(ニヤリ)
「っ!全然!」
「前に結祈が、オレがいなくても寂しくないって言ってたからな…。
ちょっと確かめてみた」
「悪趣味!」