お題

□たまには反撃くらいします。
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私は大沢結祈。


学校のみんなから、伊達政宗と付き合ってると思われてるけど、私は決して付き合ってるつもりはない。

好きだと言われたことはあるけど、どうせ本気で言ったわけじゃないだろうし、スキンシップも激しくてキス?もされたけど、政宗は女だったら誰にでもああいうことやってるんだわ。

私のことは、おもしろいおもちゃくらいにしか考えてないに決まってる。

だいたい、出会いが最悪だったし、あんな女癖の悪いヤツと付き合うなんて、こっちの身がもたないわよ。


ってか、私なんでこんなにイライラしてんのよ!
コイツのせいだわ!


チラッと横目で政宗の方を見る。






時をさかのぼって、昨日の下校の時の話だ。


いつも授業が終わると、私の所に真っ先に来る政宗が来なかった。

珍しいことがあるもんだと、いつもいる存在がいないことに、少し寂しさを覚えつつ(←ちょっとだけだからね!)帰ることにした。

帰る途中、人気の少ない廊下で聞き覚えのある声が聞こえてきたので、そっと見てみると、政宗が女の子と向きあう形でいて、なんとキスしてたのだ!

私はその場から逃げだすように、走って帰ったのであった。




そして今、「今日は天気がいいから、屋上でLunchしようぜ」と言われ、屋上に来ている。

確かに今日はポカポカしていて、外でご飯を食べるのには、気持ちいいほどいい天気なのだが、あいにく私の心の中は曇り空だ。



昨日のことを聞きたいけど、別に付き合ってるわけじゃないのに、聞くのも変だよね…。
でも、気になるし…。

どうしたもんか…。


私が葛藤と戦ってると、政宗はあくびをしながら「眠いから寝る」と言って、ゴロンと自分の腕を枕にして寝てしまった。



ムカッ



(なんで、政宗のことで悩んでなきゃいけないんだ!)

馬鹿らしくなった私は、あることを思いついた。


手元にあった筆記用具の中から、油性ペンを取り出す。

なんでそんな物を持ってるんだとお思いだろうが、次の授業が移動教室だから、授業の用意を持ってここに来たからだ。


ペンのキャップを取り、政宗に気付かれないよう、そーっと近づく。

コイツ、寝顔までかっこいいなんてむかつくわなんて思いながら、額に『バカ』って書いてやった。


ふふん、いい気味だ。
イケメンが台無し。



たまには反撃くらいします。






「おいっ!!結祈ー!!よくもやってくれたよなぁ!!」
「っだだだだって、アンタが他の女の子とキスしてたのが悪いんじゃないの!」

「Ah?何だJealousyかよ。中々Cuteなとこあるじゃねぇか。
向こうが勝手にしてきたんだよ…。
オレからはKissしてねぇから安心しな。
後でたっぷり結祈にKissしてやるからな」
「いらんっ!No thankyou!」



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