BASARA
□2
1ページ/30ページ
結祈がオレの家庭教師になって、1ヶ月が経った。
お友達からということで、相変わらずオレ達の関係に進展はない…。
先生と生徒のまま…。
そんなので満足するわけがないオレは、この1ヶ月いろいろと知りたくて、結祈に聞いてみたんだが、聞けば聞くほどアイツは純粋培養されていることがわかった。
今まで好きなヤツはいなかったのか?と聞いた時のことだ。
「好きな人?う〜ん……。
あっ、小学生の頃ね、児童会長していた人で、勉強もスポーツもできる子がいたんだけど、その人くらいかなぁ…」
「おいおい、中学や高校の時に好きなヤツはいなかったのかよ」
「だって、中学や高校は女子ばっかりだったし、先生もおじさんやおじいさんばっかりだったし、男友達もいないし、周りにそういう対象の人がいなかったしなぁ…」
聞いてビックリした。
今どき、こんなに男に慣れてない女は珍しいと思った。
オレが知ってる女達は、どいつもこいつも同じようなヤツばかりだ。
自分を美しく見せるために着飾ったり、媚を売ってきたり、いい男がいればホイホイとついていくような尻の軽いヤツ。
だけど、結祈は違う。
初めて会ったときから、そういう女達とは違う目をしてた。
その目にオレは惹かれたってわけだ…。
それに、媚も売ってこなかった。
それどころか、オレにつっかかってきやがったくらいだ。
ホント、おもしろいヤツだ。