ホスト篇スピンオフ

□序
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ある時また、例の音がした。
いつもは音が止むのをじっと待つことができたが、その日は違った。どうにも、耳についてならなかった。なんども寝返りを繰り返した後、私は布団を抜け出すと、禁を破って部屋の外に出た。

私の家には決まり事がたくさんあり、それを破ると恐ろしい「罰」が下された。
「罰」を受けたことのある兄二人――長男と次男――は、「罰」を受けてから二週間、口がきけなくなった。


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