ホスト篇スピンオフ
□序
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影は、男の形をしていた。全裸で、こちらへ頭を向けて四つん這いになっていた。その背には赤黒い血が無数に滲んでいた。
父の体を受け止める時、蜘蛛の手足のように折れ曲がった手指が、畳を掻いた。
ガリガリ、ガリガリガリ。
それは確かに、あの音だった。
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