ホスト篇スピンオフ
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「誰にも触られたことのない体って、面白いね。私の色に染めていく感じがして楽しい」
ソレの体に目を這わせる。白く、傷ひとつない体の中心でゆらめいている性器は、薄いピンク色をしている。先端からとくとくと溢れ零れるものは、涙みたいだ。透明でとめどないそれへ指を押し当ててみた。
「んんんんウ‼‼」
ソレの体が大きく震え、今度は瞳から、涙が零れ溢れた。指を離せば、ねばついた糸が長く引いた。
「言わないと、ずっとこのままだよ。ここ、限界まで膨らんだら、破裂するんじゃない?」
まるまると膨らんだ陰嚢を手のひらでやわく包み込む。
「んんんッ‼」
クッションに凭れた上半身が痙攣したように震えた。涙は、性器と瞳からぽたぽたと止まらない。
「なにもさ、屈辱的な言葉じゃないんだから。簡単なことじゃん。ひ、ろ、とって。私の名前呼べばそれで楽になれるんだよ? さっさと言って楽になろうよ。あ、でもお前に呼び捨てにされるのは嫌だな。「さん」付けて頼むよ」
汚れたた指をソレの頬になすって微笑みかけた。私はよく笑顔なのに目が笑っていないと言われるから、きちんと目を細めて笑った。