ホスト篇スピンオフ

□【4】
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「出るって、どっち?」


楽し気な声が手元を覗き込んでいる。息を吸い込むと花のような強い香りがした。広渡の匂いだ。俺の体から自由を奪う危険な匂い。


「んあッ……! ああぁああッ‼」


手は、すこし触れていただけだった。それでも俺は反射的に勃起し、射精までした。この体のせいだ。この男に、気が遠くなるくらい快楽を覚えこまされたせい。


「あっあ……」


精液を出し終えたはずなのに、再び性器から液体が滴りだした。


「ほら、やっぱり出るじゃん」


間の抜けた音が便器から上がる。そっと伺い見ると、俺の性器は奴の両手によって支えられ放尿していた。


「うう……」


死ね。殺してやる。吐きたい暴言は頭の中には浮かんでくるのに、いつからか、声にならなくなった。






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