猫のひじかたの、十の宝物
□ひとつ
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ぼくのさいしょの記憶。
それは、あまりいいものではない。
ぼくは、嫌な匂いのする狭い箱の中にいた。
みーみーとうるさい音がすると思ったら、それはぼくの声だった。あまりの寒さと空腹に、知らず知らずのうちに鳴いていたのだ。
ぼくは捨てられていたのだ。でもそれは後になって気づいたことで、当時のぼくは、訳も分からず寒さと空腹に震えていた。
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