猫のひじかたの、十の宝物

□ふたつ
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総悟はぼくを束縛しない。ぼくを信用しているからだ。


元気になったぼくは、好きな時に外出を許された。
ぼくが前足で窓をぽんと叩けば、総悟によってそこはすぐに開けられる。ぼくが出て行くと窓は閉まる。だけど、ぼくが帰る頃にはきちんと開けられている。

太陽が身を隠すよりすこし前。それが、ぼくの帰宅のタイミングだ。教えた訳でもないのに、総悟はそれを知っている。


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