猫のひじかたの、十の宝物

□ふたつ
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総悟がぼくの鼻に自分の鼻をくっつける。そうしながらぼくの喉を掻く。たまらずに、ぼくは口にする。


「みー」


だいすきだよ。


「みー」


十より、もっと、もっと、たくさん、ぼくはきみが好き。


「……土方さん」


総悟が呟いた名前はぼくのものだった。でも、どこか、違った。

ぼくの鼻にくっついた総悟の鼻が熱くなる。ぼくを抱きしめる腕が震える。

どうしたの? ねぇ、どうしたの?





《続》
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