猫のひじかたの、十の宝物
□やっつ
1ページ/7ページ
ぼくを抱いて眠る総悟が呟く。
「土方さん」
ぼくは気づかぬふりをして目を閉じる。
でもまた、総悟は呟く。しばらくするとまた。なんどもなんども、同じ名前を口にする。
ぼくではないその名前。持ち主を、ぼくは知っている。
「俺の大切な人」
聞いたことのない総悟の声。見たことのない横顔。
「もう目覚めないんだ」
→
次へ
←
前の章へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ