猫のひじかたの、十の宝物

□よっつ
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けれど、ぼくの不安は長くは続かなかった。


「ただいま」


外の匂いを体につけた総悟が帰宅したからだ。

ぼくは怒った。
どこに行ってたんだよ! ぼくになんの断りもなく家を空けるなんて信じられない!
耳を立て、歯を剥き爪を立てて、ぴょんぴょん跳ねながら総悟を責めた。


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