猫のひじかたの、十の宝物
□ななつ
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「おい、着いたぞ」
鞄の隙間から声を掛けられ、ぼくはそこからぽこっと顔を出した。
「久しぶり」
ぼくは驚いて総悟の顔を見た。それはそれまでぼくが聞いたことのない声だった。横顔も、別人みたいだ。
ぼくはゆっくりと前に向き直った。
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