小説置き場
□第捌話『試練と死蓮』
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ヴァ「やっぱこんなんじゃ駄目か・・・」
バアルに電撃は効いてないようだ。やはり今までの悪魔とは比べ物にならない・・・
次「おい、大丈夫かよ」
愛「心配ない!ヴァジュラ君は強いもん」
次「つってもな〜・・・今回はかなり強そうだぞ?俺大丈夫かな・・・」
愛「ホントしっかりしてよね。ちゃんと私を守ってよ、治してあげるから」
ドガアアァァァン
ものすごい爆音が辺りに響いた。バアルの魔力弾がヴァジュラに直撃したようだ
次「ヴァジュラ!?」
ヴァ「・・・クソッ・・心配ない、かすり傷だ」
次「かすり傷って・・・お前あんな攻撃を喰らって無事なわけが・・・」
ヴァジュラの前に壁ができていた
ヴァ「【雷道の27 不動ノ雷(フドウノイカズチ)】・・出すのが少しでも遅かったら危なかった」
愛「さすが!ヴァジュラ君!」
バアルが剣で追撃するのをヴァジュラは紙一重で避けている
ヴァ「チッ・・・(けっこう早いなこいつ)」
ビュオォ ズバッ
バアルの剣閃がヴァジュラの腹部を捕らえた。ヴァジュラが膝をつく。押さえている腹部から血が流れている
ヴァ「くっ・・・」
愛「ヴァジュラ君!待ってて、今治すから」
キル「駄目です!試練において手助けはなりません!・・・それに、ヴァジュラ君は・・・そんな簡単にやられませんよ」
次「頑張れ・・・」
ヴァジュラが立ち上がった。押さえていた手を前に突き出す
ヴァ「来いよ。次の一撃で終わらせてやる」
ヴァジュラの挑発に悪魔が怒った。
ガアアアアアア!
バアルは叫び声を上げヴァジュラに突っ込んでくる
ヴァジュラは目をつぶった
ヴァ「【空雷(クウライ)】」
ドスッ
バアルの剣は地面に刺さっていた。ヴァジュラはすでにバアルの背後にいた
ヴァ「・・・終わったぞ」
次「終わったって、お前まだ倒してねえぞ」
ヴァ「まあ、見てろ」
バアルが剣を構えこちらに向かおうとしたそのとき、バアルの動きが止まった
バチ・・バチバチ・・・
飛電する音がしてきた。そしてその直後
ビシャアアァァアア
激しい雷がバアルの体を貫いた
ギャアアァァアアア
バアルが悲鳴を上げる。そしてしばらく雷が続いた後バアルはゆっくりと倒れ砂になっていった
キル「ヴァジュラ君、試練合格です」
愛「すごーい!」
次「なあ、さっきのって何したんだ?」
ヴァ「ああ、さっきの【空雷】ってのは目には見えない雷をある一定範囲内に張り巡らしたんだ。その範囲に入った奴は雷に掴まってああなる」
次「へえ、すごいな。んじゃ、次は俺か」
ヴァ「油断するなよ」
次「分かってるって」
愛「ちゃんと守ってよ!」
次「分かってる!」
キル「では次郎君、愛海さん。これより試練を始めます。用意はいいですか?」
次・愛「ああ!」「はい!」
キル「それでは・・・【我魔界の使者キル、案内人の名において魔界への扉を開通す、現れよ『アガレス』】」
魔方陣から現れたのはワニのような生物に乗ったアガレスという悪魔だった。鼻が異様に長く垂れ下がっている。人型だ
次「よっしゃ。やってやるぜ!先手必勝!」
次郎が【覇幻】を出しアガレスに突っ込んでいく。勢いをそのままに覇幻を振り下ろす。だが
ガキイィン
振り下ろされた覇幻をワニが牙で受け止めていた
次「うお・・・なんて力だ」
次郎が力をこめるがなかなか動かない
次「なら・・・これでどうだ!【火焔刀】!」
ゴオオウゥ
覇幻が炎をまとう。次郎はもう一度渾身の力をこめてワニの口の奥に覇幻を押し込んだ
ズシャァ
覇幻がワニの牙を砕き、そのまま口から腹の方へと平行にワニの体を切り裂いた
次「よっしゃ!次はテメエだ!」
覇幻をアガレスに向けて振り上げる
ア「・・・なめられたものだな」
アガレスは一言喋ると軽い身のこなしでそこからジャンプで離れた。次郎の攻撃は空を斬った
愛「あの悪魔喋れるの!?」