〜哀しき神童の願いごと〜

□旅の途中で・・
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片膝をついて、忠誠を誓う二人。
主とされる女は、そんな二人を見て何かを意味するようにクスリッと笑った。

「あなたたちのコンビで必ず、連れて来てね。頼んだわよ。穢恋、黒幽」

「「おおせのままに」」

一度深く頭を下げると、二人は部屋から退場する。

女だけが残ったその部屋で、ろうそくが今にも消えそうに揺らめく。

「あの子供≠ェ来たら、喰う前に何をさせてやろうか…?あははっ」

短く笑ったのと同時に、部屋を明るく照らしていた光が消えた。

「私には絶対に逆らえない…」

クスクス…

再び響く笑い声は、光を失い闇に染まった中に残像もなく溶け込んでいった。



「んっ……」

眩しい光が、強制的に覚醒をさせる。一度起きることを拒み、寝返りをうつ良守だったが、その願望はあっけなく消えさった。

「起っきろ〜♪良守!」

―ドスッ!

「げほっ!!がは…がは!」

昨夜と同じ手で腹部に飛び乗られ、良守は勢いよく飛び起きる。

「烏森っ!!」

喧嘩を売らない程度に、軽く睨み、飛び乗られた腹部をさする。
昨日までの記憶が走馬灯のように頭に流れた後、あれからどうなったか気になり、辺りを見渡した。
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