〜哀しき神童の願いごと〜

□蝕む声
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身体が熱い…。

頭が重い…。

力が上手く入らなくて

心も身体も麻痺したみたい…。

辺りは何も見えなくて

ただひたすら闇が広がっている…。

このまま、闇に捕われたままでいたら…

どうなっちゃうんだろーな。俺…。



「………」

まず見えたのは薄暗い天井。見慣れたデジャブにもはや良守は特に何も思わない。
ただ、自分の犯された状況が理解出来ず、頭にひたすらクエスチョンマークが浮かんだ。

(どこだここ?)

寝ぼけているせいか、意識を失う前の記憶が曖昧だ。重い頭を腕で支えながら、良守は心を静めるために、一つため息をついた。
ひとまず、今目に見える状況を整理してみることに。
良守にしては冷静な判断だ。

(えーと、俺は墨村良守。もうすぐ15歳になる14歳で結界師っと…)

うん、ここまではイケる。
どうやら記憶喪失の疑いはないようだ。
と無駄な納得をしたところで、重要になる辺りの状況を見渡す。
今、自分が着ているものはいつもの黒装束ではなく、淡い桃色の着物。

(絶対、あの女(穢恋)の趣味だ…)

と、ここら辺で過去の記憶が鮮明になってくる。
共に沸き上がる怒り。
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