結界の巻物

□闇の声と少年の未来
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あの日以来、自分の力が恐くなってしまった。
また、烏森の誘いにのって暴走してしまうかもしれない。
そしてまた、誰かを傷つけてしまうかもしれない・・・。
お前の言葉はあまり聞かない方がいいんだろうけど、いくら距離を置いてもお前は絶対俺を放しはしないだろう・・・。


闇の声と少年の未来



気付けば、辺りは何もない真っ黒な世界。
ウロ様の時のような恐怖は感じなかったが、それとは違う恐怖が襲ってくる。

『いつになったら約束を守ってくれるんだ?』

「ごめん・・・」

この世界にいる以上、そして自分がした約束がまだ守れていない以上、俺は謝るしかない。

『飽きた。早く違う場所に行きたい。
もうやだ・・・・』

しくしくしく・・・・。

漆黒の闇の中にあいつの泣き声が響く。
それを聞くたびに俺の心は痛む。
甘いとはわかっていても、同情しないでいられない。

「なんとか・・するから・・・」

自分でも情けない自信がない声が同じように闇の中に消えていくと同時にあいつの泣き声が止む。

『私はそんなに気が長くない。早くしてくれなければ・・・・・・・』

途中であいつの声が途切れて一気に恐怖が押し寄せて来る。
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