結界の巻物

□僕への太陽の笑顔
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「結、結、結!滅!」

「天穴!」

桜舞う烏森の夜に結界師の二人の声が飛び交う。
年中冬でも夏でも関係なく咲く狂い桜の周りには、いつもの倍以上の妖達が騒いでいた。

っと、良守は目を一度つぶる。
静かに瞳を開ければ、そこには冷たい目で妖達を睨む良守の姿。
氷のように冷たい目に動けなくなる妖達。

― 無想 ―

「結・・・」

静かにそうつぶやくと、桜の周りに、数百個と言う結界が現れ、妖達がその中で暴れている。

「滅・・・」

ぼぼん!

桜の周りに、妖達の変わりはてた残骸が残されていく。

「天穴!」

それをすかさず天穴ですいとる時音。

その後、妖達は万単位ほど来たと言う。


「っつ!?頭痛た!」

翌朝、布団から起き上がると、頭に激痛が走る。
すぐに、頭をささえる。

(昨日、妖いつも以上に来たからなー。
少し無理しすぎたか)

良守は重い頭を起こすと、居間へと向かった。
っが・・・

「良兄!」

「うぉあ!?ッつ!なんだ利守か・・」

利守のいきなりの大声に再び激痛が走る。だが、利守に心配をかけないように平気なフリをする。

「どうしたんだよ?」
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