結界の巻物
□狂気に満ちた瞳に・・・
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気が付けば、辺りは真っ白になっていた。
突然の事に思考がついていかず、軽いパニックを起こしていた。
ただわかる事は、この真っ白の世界は尋常でないエネルギーで満ちていると言う事。
人の枠を驚異に超えたこの力に身体が震えてくる。
あまりにも欠点のないその世界はなんだか息がつまるような気がした。
そして、この大きな異変と共鳴するように、目の前で立ったまま動かない良守。
彼の身体からは、この世界と同じ・・いや、それ以上の力が溢れているのがわかった。
事が起きたのは数分前。
突然の烏森襲撃を良守の極限無想と夜行の人の協力によって完全阻止した。
しかし、襲撃者達は扇七郎に殺されてしまった。
苦戦している中で・・・蒼士君が奇襲をかけて・・・切られてしまった。
懸命な呼びかけをしているあたしと閃君。
だけど・・あたしはおかしな事に気づいてしまった。
良守が静かすぎる・・・。
いくら極限無想をしてるとはいえ、こんな時は必ず泣きそうな顔で叫んでいるのに・・・。
『良守落ち着け!!』
あたしが考えてる間に、良守の管理者・しぐまは慌てた様子で叫んでいた。