結界の巻物
□繋れた神の甘い夢
1ページ/3ページ
―・・・びしぃ
――・・さびしぃ
―――寂しい・・
もうこの土地に封印されて何年になるだろう・・。
私を封印したアイツもあっさり死んでしまった。
私の力を求めて来る妖たちは、何故か私のことをさせる・・。
なんで・・?
何度死にたいって思っても死ねない。
いまいましいこの身体。
あと何百年、ここに閉じ込められるんだ・・?
出たい・・。ここから出たい・・。
誰か私を助けて・・。
寂しい・・。一人は寂しい・・。
誰か一緒にいて・・!
恐い・・。この闇が・・!
誰かっ!
「良守?なんで泣いてるの?」
「えっ?」
時音に言われ、良守は自分の頬を伝う涙に気づく。そして自分が泣いているとわかった瞬間、よくわからない感情が込み上がって来た。
「ひっ・・ひっく・・!なん・・で・・?」
「えっ!?ちょっと良守どうしたの!?」
時音が優しく良守の背中を擦る。良守は涙が止まる様子もなく泣き続ける。
「わからない・・。よく・・わからない・・。
でも・・寂しいよ・・恐いよ・・」