結界の巻物

□いつか見た闇、今また見た闇・・
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ふと空を見れば、敵に奇襲をかけたと思われる氷浦の身体から血が吹き出しているのが見えた。
赤い雫が氷浦の身体から流れ、空に舞っていく・・・。
同じ光景を過去に見た事があった。
あいつと氷浦の姿が重なっる。落ちて行く時間はスローモーションのようにゆっくり過ぎていった。

「蒼士君っ!」

時音の声でやっと少し我に帰る。
だけど、苦しそうな氷浦を目の前に、俺の心は生きている者がいない森のように静かだった・・・。

――嘘だ・・・。

現実から何度も逃れようとするが、何度目をつぶり、開けても、そこには傷ついた氷浦の姿。
夢であって欲しいと何度思った事だろう。

っと、氷浦が苦しそうな声を上げながら、重そうに瞼をゆっくり開ける。
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