そなたの巻物

□刻む心と時の喪失
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俺が七歳と時、弟が生まれた。
嬉しいはずなのに、幼心に複雑な感情が交わる。
それはきっと、生まれた弟が正当継承者だったから。
ずっと求めていた方印が、目の前に・・弟の小さな小さな手のひらにあった。
それから、俺は弟・良守にどう接すればいいかわからなかった。中学卒業と一緒に家を出て、今はたまにしか良守と顔を会わせない。

今でも、どう接すればいいかわからないままだったが・・。





「なんでここにいるんだよ兄貴・・」

誰が見てもわかるくらい不機嫌な顔が自分に向けられる。
正守は久しぶり会ったのに、と言いながら良守の相変わらずの態度に苦笑していた。

「正守さんお久しぶりです!!」

時音が正守に向け自分には向けない笑顔に良守の頬はまたハムスターのように膨らんでいく。

「で、何しに来たんだよクソ兄貴!?

半場キレ気味で、目を会わさないまま良守は言い捨てる。

「別にいいだろ?烏森の様子も見たかったし」

最近様子がおかしい烏森を眺め、また目線を良守へと移した。

「弟の成長具合も見たいし・・」

「・・・

よくわからないが今一瞬バカにされたような気もした。
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