〜哀しき神童の願いごと〜
□莉妥
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心境に反映するように荒い息を吐いて、唇を噛みしめる。
「生きていたことは嬉しかった。でも、もうあれはお兄ちゃんじゃない!だから、ボクは黒幽を止める!罪を償ってもらうために!」
強い目をして、言った。
その瞳が、とても美しいと正守は思った。
唯は、そのまま時音へと顔を向ける。
「――――莉妥」
「えっ?」
「黒幽が生きてる理由だよ」
「あ、あぁ」
さっきの質問に答えてくれているのだと悟った。
神妙な顔付きで、唯は手を口に当てた。
「あくまで推測だけど、黒幽が生きてるのは莉妥って言う少女のおかげだと…思う」
「その莉妥ってやつはどんなやつなんだ?」
目を細めて、唯に答えを求める、閃。
「【創石】の莉妥。
まぁ、この子はいわゆる天才ってやつで、石の形をした協力な呪具を作るらしいんだよね。もう一つ能力があるらしいけどそれはわからない」