結界の巻物★そのニ
□満月が闇を照らすころ…
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幾日かたった夜のこと…
スーッ…
私は庭先に佇む時守様の背中を何も言わずに静かに眺めました。
幾重にも重なる衣はきっと重くて、辛いのでしょう…。
何も出来ぬ自分の無力さに、毎夜のごとくため息をついたのでした。
「また、妖見物ですか…。もう今宵は休まれては…?」
「あのう…月が見たくて…」
今夜は満月でした。妖たちが力を溜める夜でもあるのですが、空に一つ浮かぶ綺麗な月を眺めるのも、私はとても楽しみだったのです。
「今夜は満月ですか。あぁ、そういえばあなたの名前と同じですね…」
時守様の言葉にふと空を見上げました。
辺りを明るく照らす月…。月がなければ、人々は闇の中で寂しい思いをしながらさまよってしまうでしょう…。
「月影姫…?」
不思議そうに私を見る時守様には相変わらず黒い衣が怪しく影を伸ばしていました。
「私が月になります…」
「は?」
この時、私は思ったのでした。時守様の影を照らしてあげようと。
もしも時守様がが影に捕われようなら、その時は私が月になってあなた様を光へと導きます。
そうして、少しでもあな様たの闇を取り除けたのなら…。
そんな願いと決意をこめて、私は光を授ける満月に祈りを捧げた。
どうかこの方が広い世界へと羽ばたいていけますように…。
《終わり》
デスマス調の一人称難しいっ!!
その結果として、文章的におかしな所がしばしばあります。
月影姫の名前と漫画の中で出てきた満月を見て思いついたネタなんですけど、開祖がまっさんにしか見えねぇ…
大丈夫か、まっさん…
月影姫の思いに、もうほんと何この純粋ラブストーリーとか感動してたんですけど…。
とにかく書けてよかったです。
ではっ
―――飛鳥