結界の巻物★そのニ

□夢現の幸福
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時守が慌てて駆け寄ると、月影は綺麗な笑顔を見せた。

「よいのですよ。
あなたも、宙心丸も、そしてこの子も…。
私の大切な家族ですもの。
みんな平等に仲良く暮らしましょう?」

月影には適わないと時守はため息をつく。

「さぁ、洗濯物を片付けてお夕飯の支度をしましょう。
宙心丸、手伝ってくれますか?」

「よかろうっ!」

母上が大好きな宙心丸は、笑顔で月影の洗濯物を手伝いだす。
そんな光景に幸せを感じながら、時守も汚れた洗濯物を手に取った。


「宙心丸は大人になったら、何になりたいですか?」

夕飯の時間。焼きたての鮎の腹を箸で器用に裂きながら、月影は言った。
宙心丸は一瞬きょとんとしたが、すぐに笑顔で語り出した。

「父上みたいに強くなって、母上を守ってあげるのだ!」

子供の偽りのない純粋な言葉は時折、胸に痛いほど響く。
月影と時守は、顔を見合わせて笑った。

「くすっ…。期待していますよ…」

「じゃあ、今度また修行をするとするか…!」

「うんっ…!」

キラキラした瞳で、頷く。
小さな家の中でも、いつも幸せそうな家族の笑い声が耐えなかった。
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