大乱闘スマッシュブラザーズ〜光と夢の戦士たち〜
□第一話 結姫と与那
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「………そして人々は幸せにくらすのでした。めでたし、めでたし。………こんなもんでいっか。」
今、自宅の一室で盛大な独り言をつぶやいたのは、小学4年生、結姫(ユウキ)。彼女は学校の宿題である作文にとりかかっていた。
「自分でおとぎ話を考えるなんて変わった宿題だすの、うちのガッコだけだよ。…まぁ、嫌いじゃないからいいけどなぁ。でも、最後がハッピーエンドなんてワンパターンすぎるかなぁ。もっとフランダースの犬なみに泣ける作品がいい?なーんて。ははは。」
独り言全快で、ユウキは作文用紙をランドセルにしまおうとした。
そのとき…―――
『――みつけ―――ひか―』
「…え?」
ふいに、ユウキの耳に声が聞こえた。
「空耳…?」
今、家にいるのはあたしだけ。父さんは、夜中になんないと帰ってこないはず…。
『…みつけた…光の…戦士…』
「!」
空耳じゃない!
「だれ!泥棒?!」
声はだんだんはっきりときこえてくる。
ユウキは心臓が早鐘のようになるのが聞こえた。
『…にがさぬ…』
「?!」
不意に、ユウキの前に、空間の裂け目…とでも形容したらいいのだろうか…が現れた。そして、なにものかがユウキをつかむ。
「(…手……?)」
抵抗することも出来ず、ユウキの意識は、闇へ落ちていった。
暗く……
深い………
闇へ……―――
机から、転がり落ちた鉛筆だけが、今そこにいたものが消えたことを示していた。