大乱闘スマッシュブラザーズ〜光と夢の戦士たち〜

□第一話 結姫と与那
1ページ/5ページ


「………そして人々は幸せにくらすのでした。めでたし、めでたし。………こんなもんでいっか。」

今、自宅の一室で盛大な独り言をつぶやいたのは、小学4年生、結姫(ユウキ)。彼女は学校の宿題である作文にとりかかっていた。

「自分でおとぎ話を考えるなんて変わった宿題だすの、うちのガッコだけだよ。…まぁ、嫌いじゃないからいいけどなぁ。でも、最後がハッピーエンドなんてワンパターンすぎるかなぁ。もっとフランダースの犬なみに泣ける作品がいい?なーんて。ははは。」

独り言全快で、ユウキは作文用紙をランドセルにしまおうとした。

そのとき…―――

『――みつけ―――ひか―』

「…え?」

ふいに、ユウキの耳に声が聞こえた。

「空耳…?」

今、家にいるのはあたしだけ。父さんは、夜中になんないと帰ってこないはず…。

『…みつけた…光の…戦士…』

「!」

空耳じゃない!

「だれ!泥棒?!」

声はだんだんはっきりときこえてくる。
ユウキは心臓が早鐘のようになるのが聞こえた。

『…にがさぬ…』

「?!」

不意に、ユウキの前に、空間の裂け目…とでも形容したらいいのだろうか…が現れた。そして、なにものかがユウキをつかむ。

「(…手……?)」

抵抗することも出来ず、ユウキの意識は、闇へ落ちていった。

暗く……

深い………


闇へ……―――




机から、転がり落ちた鉛筆だけが、今そこにいたものが消えたことを示していた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ