半熟
□あなたはいつも
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あたりまえのようにそばいにいて
ずっとずっといっしょにいるものだと思っていた存在が
ある日突然 いなくなる
大切なものをうしなってから
太陽は そばにあるものすべてが
いつか
なくなってしまうのではないかと 恐怖をいだくようになっていた
いなくならないで
遠くに行かないで
そばにいて
月も火星も水星も木星も金星も
歩いて近づくと逃げていく
よぞらをみあげながら
さびしがりやの太陽の引力にひかれて
あつまってきた星たちは
いつか 渦を巻いて
いつのまにか まるで最初からいなかったかのように
消えてしまうの?
太陽の黒点の黒き龍がささやく声は
いつの日かなくしてしまった
あの星たちの涙の音