Shortnovel

□髪の毛一本のお代
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オレの恋人、ユウは高校生でオレは社会人。

すれ違いが多いオレ達は二人の休みが合えば必ず一緒に過ごす。

たとえ互いに違う事をしていても一緒にいられればそれだけで満たされるから…。

そして今もオレ達はそれぞれ本を読んでいたのだが、ユウは途中まで読んで飽きたのか辺りをキョロキョロ見渡したり、ボーッとしたりした後に何故かオレの髪の毛をいじりだした。

本を読むオレの目の端には楽しそうな顔をしているユウの姿が見える。

「ユウ、さっきっから何してんの?」

「髪いじり」

「いや、それは分かるけど…何で?」

「楽しいから」

「どこらへんが?」

「ん?こうやってくるくるの髪を真っすぐに引っ張っても手を離すとさ、すぐにくるくるの天パに戻っちまう辺りが面白い!」

言った事と同じ動作をして笑うユウ。

「成る程ね〜」

ユウの髪はサラサラストレートだからオレ見たいな天パと違って髪の毛同士が絡むって事も無いんだろうな…。

“ブチッ!”
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