Shortnovel

□髪の毛一本のお代
3ページ/4ページ


「Σ痛っ!!ユウ〜痛いよ」

いきなり髪の毛を抜かれて痛がるオレを見ず、オレから抜いた一本のくるくる天パの髪の毛に興味津々のユウ。

その姿は可愛いと思うけどやっぱり痛い。

おまけにまだ大丈夫だと思うけど、将来頭大丈夫かなぁ〜ハゲないかなぁ〜とか心配してるのにさ、これは酷いよ…。

「ティキ」

「ん、何?」

「もう一本抜いていいか?」

「え!?何で?」

「一本一本でくるくるは違うのなぁ〜って思って、だからもう一本抜かせろ」

全く言葉遣いは荒いし命令口調だし。
おまけに、オレの将来の事関係なしかよ…。

チラリと横を見ると端から見たら無愛想、でも実は瞳がキラキラとして興味津々の顔。
オレしか分からないであろう潜かに変わるユウの表情。

その顔に愛おしさを感じて許しちゃいたくなるけど今回は勘弁!
さすがに将来ハゲは嫌だ。
心を鬼にして断ろうと思ったがふと考えが浮かんだから予定変更。

髪の毛一本分のお代はしっかり貰わないとね!

「良いよ」

「やった!」

伸ばしてくる右手、オレはそれを見てニヤリと笑った。

“パシッ”
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ