Shortnovel
□髪の毛一本のお代
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「Σ痛っ!!ユウ〜痛いよ」
いきなり髪の毛を抜かれて痛がるオレを見ず、オレから抜いた一本のくるくる天パの髪の毛に興味津々のユウ。
その姿は可愛いと思うけどやっぱり痛い。
おまけにまだ大丈夫だと思うけど、将来頭大丈夫かなぁ〜ハゲないかなぁ〜とか心配してるのにさ、これは酷いよ…。
「ティキ」
「ん、何?」
「もう一本抜いていいか?」
「え!?何で?」
「一本一本でくるくるは違うのなぁ〜って思って、だからもう一本抜かせろ」
全く言葉遣いは荒いし命令口調だし。
おまけに、オレの将来の事関係なしかよ…。
チラリと横を見ると端から見たら無愛想、でも実は瞳がキラキラとして興味津々の顔。
オレしか分からないであろう潜かに変わるユウの表情。
その顔に愛おしさを感じて許しちゃいたくなるけど今回は勘弁!
さすがに将来ハゲは嫌だ。
心を鬼にして断ろうと思ったがふと考えが浮かんだから予定変更。
髪の毛一本分のお代はしっかり貰わないとね!
「良いよ」
「やった!」
伸ばしてくる右手、オレはそれを見てニヤリと笑った。
“パシッ”