Shortnovel
□聖夜の魔法
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「……どうしたんだ?これ?」
「ん?クリスマスだから」
「いや、クリスマスだからしゃないだろ!何があったんだ!?」
オレが着いたティキの家は真っ暗で、ティキが片手に持ってる蝋燭の火だけがオレ達の周りを明るく照らしている。
「いや、本当に何も無いよ。しいて言うならクリスマスムードを作ろうかなって思ってさ!」
「は?」
「まぁ、見てて!」
そう言うとティキは蝋燭片手に歩き出して、一つ、また一つとその場に置かれていた別の蝋燭に火を燈して行く。
「ジングルベ〜ル、ジングルベ〜ル、鈴が鳴る〜♪」
歌を歌いながらの作業はあっという間に終わり、部屋中は沢山の蝋燭によってほんのりと明るくなった。
「綺麗だ…」
無意識に零れた言葉。
ゆらゆら揺れる蝋燭の光は幻想的だった。
「綺麗?」
「あぁ」
「よかった。さて!クリスマスらしく豪華なご飯を食べようか?」
「あぁ」
オレはティキの手に引かれイスに座った。