Shortnovel
□キンモクセイ
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「オレも……そう思うよ」
「ユウも?」
「あぁ、正直オレはキンモクセイの香りって甘ったるくて好きじゃなかったんだ。
でも、今日嗅いだ香りは……優しい匂いだった。
前は気づけなかったけど今日、改めて気づけた。
お前が言った事と似てるだろ?」
そう言って真っすぐな瞳でオレを見つめながらユウは言った。
「…そうだね。ユウ、キンモクセイの花言葉って知ってる?」
「いや、知らない…何なんだ?」
「キンモクセイの花言葉はね沢山あるんだ。
謙遜、陶酔。他には真実や初恋、変わらぬ魅力。そして……真実の愛。
本当に沢山あるからどれが一番しっくりくるか分からないけど…初恋や変わらぬ魅力、真実の愛はオレ達にピッタリじゃない?」
オレは両手でユウの顔を包みこみながら言った。
「なんだよ、いきなり///」
ユウの頬は赤くなって、その高くなった温度は包みこんでいるオレの手にも伝わった。