Shortnovel
□Letters(前編)
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「ユウ、これを着て!」
戻って来たティキから渡されたのは上着からズボンまでの服一式。
「え?これ」
「良いから着て」
ティキに言われて試着室に入り、着替える。
着て見た服のデザインは自分好みの服だった。
「ユウ着替えた?開けるよ」
“シャッ”
「い、いきなりかよ…」
「あ、ごめんごめん。その服どぉ?」
「あ、あぁ…良いと思う」
「気に入った?」
「う、うん//」
目があった瞬間に微笑みを返されドキッとしてしまったオレは視線をそらした。
「よし!すいませーん。
さっきのとこれ全部下さい」
「はい、ありがとうございます。少々お待ち下さいませ」
「お、おい!これ全部買ったら何万するか分かっt「大丈夫。お金はあるから。あとこの靴どぉ?」
そう言って見せて来たのは隣にある有名ブランドのロゴが入ったシューズ。
「ごめん。勝手に靴のサイズ見た。動きやすいし、この服に似合うと思うんだ。ユウはどうかな…?」
「嫌いじゃないが……この服といい靴といい、金は大丈夫なのか?」
「お金の心配はしないでいいよ。…どうせもう必要無いからさ…」
「?」
目を伏せて静かに語った言葉の意味を
この時のオレは分からなかった…。