Shortnovel

□Letters(前編)
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「ありがとうございましたー」

丁寧なお辞儀をする店員に見送られながらティキの隣を歩き、車に乗り込む。

自分じゃ到底買えないブランド品に身を包まれている事に少しの違和感を感じていた。

「これ…」

自分が着ていた服に入っている携帯を取り出そうとさっきまでいた店の袋を開けると、自分が着ていた服以外にもう一着、欲しいと思ったが値段の高さに買えず元の場所に戻した商品が入っていた。
「ユウが見てたから欲しいのかなぁーって思って…嫌だった?」

「いや、欲しかったからその………あ、ありがとうな///」

客に合わせたキャラクターじゃなくて、素顔の自分が言った言葉は何だか照れくさかった。

「どういたしまして。
次はお昼何だけど、ユウは蕎麦食べられる?」

「あぁ、食えるよ」

「なら、この先に美味しい蕎麦屋があるらしいからお昼はそこね」

「うん、分かった」

静かに走る車の中オレは、ティキの横顔から目を離せずにいて
そんなオレと目が合うと
ティキはニコッと笑った…。
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